電子回路設計の基礎をADALM1000で学ぶ

電子回路とは?

実験室室長の浦邉です。今回は、実験室だけにとどまらず、初心者講座を連載する運びとなりました。よろしくお願いします。しかも、マイコンとかではなく、電子回路編です。アナログ関連の技術ですよ。大丈夫かな?と心配になりますよね?安心してください!アナログ・デバイセズ社の協力を仰ぎながら、連載をしていきますよ。

さて、電子回路(アナログ関連)の技術者が減っていると言われて久しいのですが、ワタクシも非常に気になるところです。IoTという言葉がより具体的な形になりつつあります。そのような状況の中、周りがデジタルで溢れているように見えて、実際にはいかにアナログのデータを正しく扱えるか?という点が、データ分析の要のような気がしています。一般的に、電子回路やアナログ関連の技術は、電源のレギュレータはもちろん、無線のRF部分やオーディオのアンプ、センサーのフロントエンド、IGBTなどの大電流駆動など応用範囲が非常に広いですよね。

それでも、やはり電子回路にも基本はあります。それらがどんな原理で動いているのか?電子回路気になりませんか?本連載では、そういったところを少し深掘りし、電子回路がどんなところに使われているのかを解説し、普段マイコン関連に携わっている方の助けになればと思っています。

例えば、LED点滅である「Lチカ」ってデジタルデータとしては「1」と「0」を交互に指定すれば動いてしまいますが、本当に「1」と「0」だけでしょうか?温度センサーの値も、読み込んできた値が温度データそのものではないですよね?数値から今何度であるかを計算しています。電源だって、コンセントから直流が取れないことも分かっていると思います。

LEDの元はダイオードです。ダイオードといえば、PチャンネルとNチャンネルを接続した半導体です。ダイオードが理解できれば、トランジスタ、FETといわれる素子の動きも理解できるようになります。モータを駆動するモータドライバも、最適な電流設定ができるようになります。オペアンプも理解できれば、演算だってできるんですよ。電流・電圧(I/V)変換や周波数・電圧(F/V)変換など、知らないだけで便利なデバイスがたくさん。

そんな素子をこの講座でしっかり理解して、デジタルもアナログもハードもソフトも組み込みもクラウドもなんでもわかるスーパーエンジニアを目指していきましょう!

ADALM1000は入門者に最適!

今回の初心者講座では、アナログ・デバイセズさんの「ADALM1000」というモジュールを使用して講座を進めていきます。

図1

このモジュールの特徴は、高精度なAD/DAを搭載したモジュールで、PCとUSB接続します。PCもWindowsだけでなく、OSXやLinuxにも対応しているので、お手持ちのPCにインストールすれば簡単に使えます。下記動画にその様子を解説していますので、ちょっと見てみてください。

今後の電子回路編の連載では、このモジュールを使っていろいろな実験を見てもらって進めていきます。次回紹介するディスクリート・パーツ・キット「ADALP2000」を使えば、いろいろな回路を体験できるとともに、アナログ信号を読み込んだり、アナログ信号を出力したりして、オシロスコープやファンクションジェネレータ、マルチメーターなどの実験機材を並べなくても、スマートに電子回路の動きを学ぶことができます。しかも、シミュレータではないので、実際の信号として体験できるというのがポイントかと思います。PixelPulse2という波形ビュアーのソフトを使用しているので、操作も非常に簡単なんです。

撮影協力:CAFE Elliott Avenue(カフェエリオットアベニュー)